食物の5大栄養素として 炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル。
それとは別の観点で 「食物の陰陽理論」 があります。
自然界のものは、すべて「陰性」と「陽性」で成り立っています。
たとえば 大きく分けると、
男性は陽性、女性は陰性。
子どもは陽性、大人になると陰性。
一日のなかでも 昼は陽性。夜は陰性。
一年のなかでも 夏は陽性。冬は陰性。
人間のからだも 四つんばいになった姿勢で
日の当たる部分は陽性、影になる部分は陰性。
食物では、糖類、果物(とくに南国の)地面より上に育つ野菜は陰性。
陰性の食物は、からだを冷やし、空に向かって伸びる働きがあります。
塩、根菜類(地面より下に育つ)、動物性(肉、魚、卵)は陽性。
陽性の食物は、からだをあたため、引き締める働きがあります。
ですから
夏は季節が陽性なので きゅうり、トマト、とうもろこし、そうめん・・など陰性の食物を欲し
冬は季節が陰性なので 根菜類、火を通した煮物、鍋物・・・など陽性の食物を
からだが要求します。
「食物の陰陽理論」を知って、バランスよく食材選びをすると
五大栄養素だけで考えていた食事内容とは大きく変化します。
治療中の方は、陰陽理論と
ご自分の体質をよく理解したうえで、食事療法をなさるとよいでしょう。
たとえば、子宮など婦人科系を病む方は(私もそうでしたが)
からだが冷えていて、極度な陰性に偏っている場合が多いのです。
陰性体質の方は、冷たいもの、甘いものをできるだけ減らして筋肉をつけて
根菜類の野菜を加熱していただくことで
陽性のエネルギーが入って バランスが取れてきます。
酵素・発酵食品も 不可欠ですし
できるだけ人の手が入っていない「正常な細胞」の野菜
芽吹く野草などを摂ることで 植物本来の命をいただくように意識してください。
こういった、一連の知識を身につけることは とても大事ですが
「これは陰性、これは陽性・・・」「これはダメ、あれはOK・・」
と あまり頭で考えすぎると、心がかたくなります。
私は、これが一番気をつけなければならないと考えています。
からだに良い食事をしようとして、頭でっかちになって
からだを緊張させてしまっては まったく本末転倒です。
美味しく、楽しく、感謝して食べるのが一番ですから
「食物の陰陽」「酵素の大切さ」「生命力のあるもの」を知ったうえで、
自分のからだに
「いま、何を食べたい? 何を飲みたいか?」 改めて問うてみてください。
答えは、あなたの内にあります。
私たちは 身体に良いから、栄養を考えて、時間だから・・・など
意外と 本当に食べたいときに食べたいものを食べてはいないものです。
病気治しのために一時期、徹底的に食事療法をすることは確かに効果があります。
けれども ある程度 からだが正常になってきたら
決して、「病気にならないために・・・」大義名分のもと、
からだが求めてもいないものを
無理に食べ続けたり
反対に からだが求めているのに
知識や情報にとらわれて食べない・・・など
つまらない落とし穴に はまらないように
からだが求める食べ物は
その時、その人のからだにとって必要な食べ物なはずです。
必要な食物を求められるからだであることこそが
本来の姿ではないでしょうか?
そして、からだに不必要なものは
体外に排出できるようなセンサーが正常に働くからだであることが
本来あるべき機能だと考えています。