自分の感情・恐怖心と向き合えた私・・・
少し落ち着いてから、「私、おかしいなぁ・・・」と思いました。
「どうして、こんなに不安でこわくて落ち着かないの?
ガンて、こんなに怖いものだったの?
前は、ガンと告知されても平然としていたじゃない?
ガンの可能性(しかも数値としては今までに比べると大したことはない)・・・と聞いただけで涙が出ちゃうほど怖いものだったの?」
そして、自分がつけたサイトのタイトルを思い出しました。
「がんはこわくない・・・」
「え!冗談じゃない!こんなに怖いじゃないの!」
「もう、あのタイトルはやめよう・・・それより、どうしよう・・・ガンだったら・・・」
と、動揺丸出しで落ち込んでしまいました。
結局、精密検査は、私が生まれた横浜の病院を選びました。
「もう一度 私が新たに生まれる」 ような気がして そこを選びました。
結果は12月21日です。
それまでの約1ヶ月は、長く重苦しい日々でした。
2006年から、横浜市内でヒーリング瞑想会を主催していたのですが、
講師であるヒーラーが「そんなに心配しなくてもいいんじゃない?」
でも、心配は払拭されず、泣きたいような落ち着かない不安な日々を過ごしました。
サイトはHPアドバイザーにメールして、再検査になった事情を伝えました。
これから2ヶ月間、完全にストップしてしまいました。
まともにパソコンに向かった記憶がありません。
気持ちが落ち着かなくて、何かに集中することができないのです。
「ガンの疑いがあるだけで、こんな気持ちになるんだなぁ・・・」
3回目にして はじめての経験のように不安と恐怖に襲われた自分を しみじみと感じていました。
この同じ頃に 実家の父親が前立腺ガンの可能性が高く、精密検査に入っていました。
私は自分のことを話しませんでした。
12月13日、検査結果の日、父親は前立腺ガンであると診断されました。
父親にとっては はじめてのガンでした。
私の不安と動揺。いよいよ大きくなって、破裂しそうでした。
そして、12月21日、私は結果を聞きに病院に行きました。
HPアドバイザーの方が、気にかけて本を贈ってくださり
この本を読みながら、気が遠くなるような待ち時間を過ごしました。
やっと名前を呼ばれて診察室に入ると 医師は私が椅子に座るか座らないうちに、
「問題ないですね。ガンじゃありませんよ。」
私は、張り詰めていた緊張感と ずっと抱えていた不安感が一気にほどけていって
診察室を出てから、すぐ近くの椅子に座ってしまいました。
私は病院を出て、叫びたいくらいに 嬉しくてたまりませんでした。
1991年にガンが治ったときと、同じくらい、もしかしたら、それ以上嬉しかったかもしれません。
ガンの疑いっていうだけなのに、どうしてこんなにこわかったのか?
それに、どうしてこんなにうれしいのだろう?
みなとみらいの空は、はじめてガンが治った1991年と同じように真っ青でした。
そして、1991年と同じように 私は また泣いてしまいました。
がんはこわい けれど それでも・・
2007年に、ガン検診で異常と診断されたことは、貴重な体験でした。
私は、自分の感情を素直に受けとめ、味わえるようになっていたのです。
それが、わかりました。
1991年(初めてのガン告知)は 本当はすごく怖かったし、不安だったし、
泣きたかったのに、その感情にフタをしていました。
「ガンと闘う」「ガンを治す」 ことに精一杯だったから。
2001年は、少し不安だったけど、
「ガンの意味を探す」 ことに精一杯だったから、あまり怖さを感じなかった。
いや、感じないようにしていました。
今回の再検査の意味は、
ガンの疑いがあるといわれたときの気持ち、ガンと診断されたときの気持ち、
こんなにも怖くて不安で落ち着かなくてどうしようもないんだ・・・ってことを味わうためだったのです。
そして、今までのガンのときに封印していて味わえなかった私自身の恐怖心、
不安を追体験して、そのとき取りこぼしてきた感情を、たっぷりと味わいつくすためだったんだ・・・
よく 人から「強いね」って言われたけど、それは 恐怖を感じないようにしていただけ。
今回、再検査っていうだけで、あんなにも、うろたえた自分がいたじゃないの。
みんなが支えてくれて わずかな希望でやっと立っていられた自分。
いろんなことが、わかりました
そして、なんという絶妙なタイミングで物事は起きてくるのだろう!
すべての物事は、一見良いことも、そうでないことも
成長するために、祝福のもとに起こることなんだ!と感動すら覚えました。
もし、ほんとうに 「ガンはこわくない!」 という気持ちで、サイト作成していたら・・・
私は何もわかっていなかった。 と思うと、それこそこわい!
私は、ガンをきっかけに17年かけて やっと自分の感情を受け入れて味わえるようになったのです。
今、その「幸せ」を感じています。
自分が、しっかりと自分である感覚。
でも、「完」ではなく、生きている限り「気づき」「解放」は続いていきます。
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ここまで長い記事を読んでくださって、ありがとうございました。
より詳しい経過を「がん~その自然治癒の軌跡」にまとめましたので
ご関心ある方は ぜひ小冊子を お読みください。